やなぎだ耳鼻咽喉科(大阪府東大阪市西鴻池町)| 耳・鼻・喉あれこれ

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黄砂と耳鼻咽喉科

2016,4,15

黄砂1

4月に入り、ヒノキ花粉やイネ科花粉に対するアレルギー症状の患者さんが増加してきます。一方で、気をつけないといけないのが黄砂の飛散です。一般の方には、車や洗濯物が汚れるくらいの問題かもしれませんが、耳鼻科領域では健康状態に大きな影響がでてきます。

最近、黄砂の飛散が多い日に、のどの痛みや咳嗽が悪化したと来院される患者さんが増加してきました。その症状の発現にアレルギーの関与が言われています。中国などの大陸から日本まで飛んでくる黄砂の大きさは4μm前後と言われ、非常に小さな粒子です。スギ花粉が約30μmといわれていますので、これより、さらに細かな粒子です。一方で最近問題になっているPM2.5が2.5μm以下の大きさなので、これより少し大きい粒子ということになります。

この黄砂の粒子には人体に有害なSIO2(シリカ)というアスベストと同じ成分が含まれており、これらは肺に炎症を引き起こすことがわかっています。また黄砂のみをマウスの気管内に投与しても、アレルギー反応や喘息様の病態は起きませんが、これにダニ抗原あるいは卵白抗原をミックスして投与すると、抗原を単独投与した場合よりも、遥かにアレルギー炎症の悪化が見られたという報告があります。さらに、黄砂に付着したカビや大気汚染物質がアレルギー症状の増悪に関与していると言われています。ただ、現状では不明な点も多く、今後の研究結果が待たれるところです。

黄砂2

内科領域で、成人気管支喘息では、黄砂飛散時に患者の10~20%で呼吸器症状が増悪し、小児では喘息増悪による入院のリスク上昇を生じたと言う報告があります。耳鼻科領域では、咳の増悪やイガイガ感のみならず、のどの強い痛みを訴えられるケースも少なからず経験します。また、ヒノキ花粉症などの患者さんは、花粉の飛散に黄砂の飛散が加わると、鼻汁やくしゃみなどの鼻症状が、著しく増悪することも知られています。

黄砂による上気道および下気道の症状に対して、特異的な治療法は、残念ながらありません。花粉症同様、原因物質回避が基本になり、これに対症的な薬物治療を加えるということになります。症状を軽くするためには、マスク装着、外出を控える、外出後は顔などを洗うことなどが大切です。最近は、気象庁の防災情報のホームページに黄砂飛散の予想と現況が詳細にアップされています。これらを参考にしながら、充分な対策をたてていただくことをお願いします。

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